
香港でのリリースから半年以上経ってしまった。諸事情からYesAsiaに注文したのは今年の2月初め。同時に注文したCDの中に元々在庫が無いものがあって、互いに母国語ではない英語を介してのメールでのやり取りを経て、ようやく届いたら2月末だった。
このところハズレ無しの
陳慧琳(Kelly Chen)の未だに最新作である本作も、まるで私の好みに合わせてくれているかのような楽曲が並ぶ会心作だ。ただし、前作
“Grace And Charm” の第二版をオマケまで(ケリー・)チャンと(笑)聞いていれば、終盤の「手抜き」には腹が立ったかもしれない。
そのオマケとは
「大長今」というドラマのサウンドトラックだった。何でこんなものが付いてくるのか、どうして第二版のジャケットでチマチョゴリを着ているのか、本編CDだけで満足してしまった私はその理由を調べようともしなかった。
実は今作の終盤に再び
「大長今」絡みの曲が再収録された。おかげでようやく気付くことになった。
「大長今」でピンと来た方は今頃大笑いされているだろうが、日本でもアニメにまでなった
「チャングムの誓い」のことだった。中国での放映に際して、子供たちの合唱で歌われている主題歌を中国語の歌詞で歌い直したようで、それを歌っているのがケリー・チェンだった。2作連続で収録されるくらいだから、中国でもドラマ共々かなり評判がいいのだろう。
ということは、今作のラスト3曲は謂わばボーナス・トラックのようなものだ。前述の再収録が2曲、それにアルバム・トップの曲の広東語版だからだ。前作をもう少し熱心に聞いていれば、買う気が起こらなかったかもしれない。否、たとえ分っていても、7曲のミュージック・ビデオを収録したDVD付きという仕様は捨て難く、どのみち買っていたことだろう。
本作にイチャモンを付ける気は更々無い。ファンなのに前作を不誠実な聞き方しかしていなかったことへの反省だ。慌てて前作のオマケを聞いた。ドラマ自体は時々見る程度だが、実は主題歌は大好きだ。その曲を既にCDで所有していたとは、本当にウカツだった。
さて、本作の中身だが、言語違いでトップとラストで二度聞ける(聞かされる?)曲は、ヒップ・ホップ調のダンス・ナンバー。サビの部分のアレンジがボビー・ブラウンの曲に似ているのだが、曲名が思い出せない。別にパクリだと非難するつもりは無い。中華ポップスにそんなのはザラだし、日本のポップスだって同じことだ。むしろ、私には取っ付き易くて有難いくらいだ。
ダンサブルに幕開けしたと思ったら、いきなりドラマチックに盛り上がるバラードが続く。終盤の熱唱には無理がなく、ケリーの歌唱力の凄さを再認識させられた。その余韻が残るせいか、3曲目以降はサラッと口直しといった感じの王道ポップスが続く。
かの地では秋のリリースだったが、この時期に聞く方がピッタリと思える春向きな清涼感がある。序盤の展開に比べると平坦な進行の中盤も心地好く聞けるのは、季節感とマッチしたせいかもしれない。再収録された「チャングム」への連なりも、窓を開けて部屋の空気を入れ替えたようなアクセントになっていて、実はいい感じだ。
実際には「涙」をテーマにした曲ばかりだそうだ。言葉が理解できれば、アルバムの印象はもっと違ったものになったはずだ。いずれにしろ、本作もまた愛聴盤の仲間入りだ。既にSAFAに転送済みだ。たちまちヘヴィー・ローテイションになっている。おまけにDVDには7曲6パターンのミュージック・ビデオが収録されていて、女優としても活躍するケリーの美貌が心ゆくまで堪能できる。「チャングム」の件を割り引いても、お買い得だったと思う(笑)。
posted by SunHero at 23:44|
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音楽レビュー(ASIA)
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