いつも以上に長い前置き(=前編)になってしまったが、構わず続けよう。本作はそんな上昇気流に乗ってリリースされた。発売2週目の時点でアルバム・セールスの自己記録第3位に躍り出た(オリコン調べ)。“Heaven's Kitchen”を抜いて1位になるのも時間の問題だろう。
あいにく発売日がSMAPと重なったが、それでも8/7付オリコン・ランキングで堂々の初登場2位だ。SMAPの32万枚には遠く及ばない16万枚弱だったが、8/14付では首位をV6のベスト盤(108千枚)に阻まれながらも、91千枚と好セールスをキープ。初登場一番人気の倉木麻衣“Diamond Wave”(78千枚)を抑えて第2位の座を守った。好調さはDVD付限定盤が街中のCD店から姿を消している事からも明らかだ。Amazonですら品切れだ。
2枚組CDに6曲のビデオ・クリップを収録したDVD付で3,500円というのは、非常に値頃感がある。CD1枚モノのアルバムに2曲程度のビデオ・クリップしか入っていないDVD付で4,000円近い値段の新譜が多いからだ。既に制作費は回収済の音源が大半を占めるベスト盤の場合、その分パッケージ・デザインやオマケにかなりの予算を注ぎ込めるものだが、今回は価格を抑える戦略に出た。往年のファンはモチロン、最近ファンになった人や興味を持った人の背中を一押しするのに十分な売価設定だと思う。一方、通常盤が3,300円なのは、限定盤がほとんど姿を消した現状では、セールス的には逆効果かもしれない。
本作の構成は、Disc1がポニー・キャニオン時代、Disc2がワーナー・ミュージック移籍後と、はっきり区分けされている。前者が1995〜1998年、後者が1999〜2006年、オリジナル・アルバムの枚数に換算すると3:8というアンバランスさだ。ポニー・キャニオン時代は二大ヒット・アルバムを全面的にTore Johanssonに委ねたため、他のサウンド・クリエーターとのコラボはほとんどアルバム未収録になってしまった。その辺もフォローすると、こういう配分になったということだろう。ポニー・キャニオン時代は如何に音楽活動に忙殺されていたかが窺える。レコード会社との契約を更新せず、国外逃亡したくなったのも無理は無い。
このことは実際に音を聞いてみれば一層ハッキリする。ワーナー移籍後はプロデューサーが誰であっても割りと一貫性があるが、ポニー・キャニオン時代は今のスタイルからは想像できないような歌い方やアレンジの曲もあって、如実に暗中模索の時代だったことを物語っている。突出して声圧の高い“Surprise!”の腹式の発声による野太い歌声には今更ながら驚いてしまったし、“泡になった”の1970年代の山下達郎風なアレンジはあからさまに他の邦楽アーティストを連想させるという点で珍しい。
Disc1は13曲中6曲もTore Johanssonプロデュース曲があるのに、他の7曲が前述のようにバラエティ豊かで、近年の曲しか知らない人達には殊更新鮮ではないだろうか?こういう方面に興味を持たれたなら、アルバム未収録曲を中心に構成されたポニー・キャニオン時代のベスト盤をお勧めします。
Disc2は何かとTore Johanssonとのコンビ復活が取り沙汰されることへの反発からか、意外にも15曲中3曲しかない。冒頭を飾る“So Wonderful”や今やキャリア最大のヒットとなった“A Perfect Day”は、実はBurning ChickenというTore Johanssonの弟子たちのプロデュース作品。逆にもう1曲の目玉曲“LOVE IS BUBBLE”は、艶かしい歌詞と昭和歌謡をモチーフにした分厚いブラスがDisc2の中でも異彩を放っているが、ミキシングを手掛けたのは意外にもTore Johanssonなんだとか。
入門編にしては盛り沢山過ぎる内容に、思わずComplete BONNIE PINK (1995−2006)という副題も満更ではない気がした。が、本作に収録されることを切望していた曲がもう1曲あったことを思い出した。サントリーチューハイ「カロリ」のCM曲だった「ダンシング・シスター」(原題:I'm In The Mood For Dancing)だ。この曲は今のところ“Last Kiss”のシングルにしか収録されていない。昨年のカバー・アルバムにも収録されなかったので、近年の新趣向として本作に入れても良かったんじゃないかと思う。否、ぜひ入れて欲しかった。
それにしても、こんなに美人なのに、どうしてデビュー当時はそれを隠すようなイデタチだったのだろうか?髪を染めるのを止め、髪を伸ばし始め、キャミソール・ファッションに身を包むようになったら、昨年はオンワードのイメージ・キャラクターに起用されてモデル・デビュー。今年は何とソープ嬢役で女優デビュー。来年はいよいよ自ら化粧品のCMに登場するんじゃないだろうか?あらぬ妄想が頭の中を駆け巡り始めたので、CD2枚組+DVDというボリュームに相応しい長さのレビューもこの辺で止めましょう。(笑)
posted by SunHero at 23:56|
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