2007年03月18日

F.I.R. − 飛行部落〜Flight Tribe (July 2006)

In Association with YesAsia.comF.I.R.は2004年台湾の人気ドラマ「闘魚」のエンディングテーマ曲“Lydia”でデビューした。メンバーは女性ボーカルの飛(フェイ)、ギター&ボーカルの阿沁(アチン)、プロデューサー(アレンジ・演奏全般ということらしい)の陳建寧(イアン・チェン)の3人で、グループ名は3人のニックネームの頭文字をとって付けたそうだ。ユニークなメンバー構成やキャッチーなポップ・ロックを基調としたサウンドから、日本で準えればDo As InfinityやEvery Little Thingあたりがスタンス的に近いようだ。

本作は昨年夏にリリースされたサードアルバムで、リリース前からLeAnn Rimesの参加が話題だった。以前から興味はあったし、今回はゲストに知った名前があったから、お試しのつもりで買ってみた。想像していた音楽と全然違っていた。第一印象は「B'zが女性ボーカルを迎えてポップスをやったら、きっとこんな感じ」というものだった。

1分半弱の中に時空を超越した飛翔感を見事に表現した“Intro”から一転して、今時のミラクル・ポップ・チューン“Get High”への展開だけで魅了されてしまった。“Flight Tribe”はそんなサウンドの特徴を見事に言い表したタイトルだが、「飛行部落」という中国語タイトルはちょっと意味が違うだろう?日本人の中には「部落」という言葉に特殊な意味合いを感じる人もいるが、私が言いたいのは誤訳じゃないかということだ。「飛行部族」なら納得できる。あるいは、“Flight Village”というべきか?いずれにせよ、ジブリのアニメに触発されたようなタイトルだ。

アルバムの前半は、「部族」という言葉から連想される太古の音楽とモダンなポップスとの間を忙しく行き来するような感じで進行する。太古の音楽を表現するために、中国古来の楽器やインカ文明の古楽器が使われている。後半はロックの範疇を越えてビッグバンドジャズをやってみたり、歌謡曲調の曲があったり、Evanescence風の曲があったりで、間口の広さをアピールしている。アルバムとしての一貫性に欠ける印象がないわけではないが、アレンジの妙や楽曲の多彩からはメンバーにプロデューサーが名を連ねているのが伊達ではないことが判る。

こうなると、LeAnn Rimesの参加も影が霞んでしまう。元々前奏やサビなどに“How Do I Live”の一部を組み込んだ曲だったため、オリジナルを歌う歌手に使用許可を求めたところ、カメオ歌唱が実現したそうだ。フェイとリアル(阿沁のこと)のデュエット・ナンバーに、無理矢理LeAnn Rimesが絡んでいるような印象が拭えないのは、そういう経緯のせいかもしれない。極論すれば、客寄せに使われただけで、F.I.R.の音楽性という観点から見れば、異色の部類に入る感じの曲だ。

私としては“Get High”のような曲が好きなので、この手の曲があるのなら前二作も聞いてみたい。この曲に限って言えば、女性ボーカル+男性ラップのポップ・チューンという点で、mihimaru GTとの共通性を感じた。台湾産の音楽、ますます侮れないと、ツヨクツヨク確信した。(笑)

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タグ:FIR Leann Rimes
posted by SunHero at 00:18| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽レビュー(ASIA) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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