2007年06月04日

"Natural Woman"〜鈴木重子&フレンズ
 2007/05/29 有楽町朝日ホール

CDを一枚も持っていないアーティストのコンサートに行った。しかも、行くことにしたのは公演4日前だった。イープラスから届いた「得チケ」メールがキッカケだった。何しろ「得チケ」である。まず一般前売り6,000円が4,500円という値引きに惹かれた。

鈴木重子はジャズシンガーだが、レパートリーの大半はポップスやボサノバなどの有名曲だ。CDを持っていなくても楽しめそうだった。しかも、こちらもCDを一枚も持っていないが、二胡奏者のウェイウェイ・ウーがゲスト出演する。問題は仕事の調整だけだった。

勝算があったので、メールを受け取ったその夜のうちに申し込んだ。予約番号は38番だった。チケットは当日会場の特設カウンターで、開場の30分前から先着順で引き換えだった。仕事の方の調整も首尾よく運んだ。

会場に着いたのは、開場予定時間の30分くらい前。問題の特設カウンターは、入ってすぐの柱の脇に置かれた折り畳み机だった。既に11人並んでいた。予約番号38で12人目ならラッキーだと思った。僅か5分くらいで「得チケ」の列は倍以上の長さになった。引換え開始が10分繰り上がった。

引換えには予約番号より身分証明書が重視された。大抵の人は運転免許証を提示していたが、中には健康保険証やパスポートを持参した人もいた。身元確認をすると、予約者の一覧表にチェックを付け、予約人数に応じて予め仕分けられたチケットの束から相応枚数のチケットが手渡された。期待に反して全21列中で前から15列目だったが、列の中央付近だった。

遅めの開演設定が良かったのか、定刻の開演だったが、運悪く私の左隣=通路から奥まった方の席はガラ空きだった。曲間とはいえ、遅れてきた客が目の前を何度も横切るのが、いつになく不快だった。「天然」キャラの鈴木重子の場合、合間のトークもいつ笑いが起きるか油断できないからだ。

セットリストとミュージシャンは以下の通り。案の定、馴染みのある曲が並び、演奏スタイルというか歌とアレンジの妙を楽しむことができた。後で調べて分ったことだが、鈴木重子のレパートリー中5曲が今のところ最新盤である通算9枚目"Silent Stories"の収録曲だった。さらに、オープニングのCarole Kingのカバーは、今月下旬リリースのニュー・アルバム"LOVE"からだった。

呼応するように、ウェイウェイ・ウーの2曲も発売直前のニュー・アルバム"China Blue"からだった。また、鈴木重子との共演曲“I Will Wait For You”は、ウェイウェイが一足も二足も先にデビュー・アルバムで取り上げていた曲だった。一夜限りの共演のような場合、レパートリーの共通項を取り上げれるのはよくあることだ。リハの時間も少なくて済むし、どちらのファンにも馴染みがあるのに新鮮さをアピールできるからだ。


  ★★ Setlist ★★
  1. So Far Away [Carole King]
  2. True Colors [Cyndi Lauper]
  3. So Danco Samba [Antonio Carlos Jobin]
  4. 黒いオルフェ(Manha de Canaval)
  5. 'Cause I Love You
  6. G線上のアリア *
  7. シェルブールの雨傘〜I Will Wait For You ***
  8. 上海波沙(シャンハイボッサ) **
  9. 時のかけら *
  10. おいしい水(Aqua de Beber) [Antonio Carlos Jobin] ***
  11. Colors Of The Wind [Vanessa Williams] (映画「ポカホンタス」より)
  12. Imagine [John Lennon]
    <encore>
  13. 蘇州夜曲 ***
 *:ウェイウェイ・ウーのレパートリー、**:フェビアン・レザ・パネのレパートリー
 ***:鈴木重子&ウェイウェイ・ウー共演曲


  ★★ Musicians ★★

 鈴木重子: Vocal
 フェビアン・レザ・パネ: Piano
 長澤紀仁: Guitar
 <Guest Appearance>
 ウェイウェイ・ウー: 二胡


フェビアン・レザ・パネと長澤紀仁は、近年の鈴木重子のライブには欠かせないメンツのようだ。特にフェビアン・レザ・パネはソロ・アルバムを何枚も出しているが、むしろ他のアーティストのサポート・ピアニスト/アレンジャーとして広く知られているように思う。今年に入ってからも、既に川井郁子や大貫妙子のライブにも同行している。また、ウェイウェイ・ウーのアルバム制作に、アレンジャーとして関わったことがあるそうだ。

ウェイウェイ・ウーは、サントリー烏龍茶のCM曲でおなじみのAmin(近年のCMではYMOのRYDEEN収録アルバムはこちらを中国語でカバーしていた)の実姉だ。二胡を立って演奏するスタイルを考案した張本人だそうだ。新作ではKenny Gとの共演も果たし、達者な日本語を武器に日本をベースにした活動は、ますます充実していくようだ。ただ、主役の鈴木重子以上に熱心に自分の新作の宣伝をしたのは、チョットどうかと思った。

何よりも残念だったのは、キャパ600名余りの小規模ホールなのに、どの楽器もPAを使っていたことだ。鈴木重子が度々二胡の生音を間近で聞けたことを喜んでいたので、尚更気になったのかもしれない。耳に入ってくるのは如何にもPAを介しましたといった感じの音だった。昨年系列の浜離宮朝日ホールで村治佳織のギターを聴いた時には、PAを使っていても生音っぽく響いてきたのを思い出して、残念な気持ちが増幅してしまった。

ところで、この"Natural Woman"という企画は、ソウルボッサ・トリオのゴンザレス鈴木がプロデュースしたもので、一週間前に行われた「島田歌穂&フレンズ」と対を成すイベントだった。さらに、これは朝日新聞社とイープラスが主催する"Premium Meets Premium"というシリーズの一企画なのだそうだ。

"Premium Meets Premium"では、7月に浜離宮朝日ホールでScoop On Somebody、小柳ゆき等のアコースティック・ライブを予定しているそうだ。興味はあるが、カネがない。一応アンケートには答えて来たので、今後何らかの案内が来るだろう。機会があったら、また行ってみたい。そんな気にさせる楽しくも安らげるコンサートだった。
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posted by SunHero at 01:42| 東京 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント・レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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