2008年05月02日

宇多田ヒカル - HEART STATION (March 2008)

HEART STATIONHEART STATION
販売元 : Amazon.co.jp 音楽
価格 :

[タイトル] HEART STATION
[アーティスト] 宇多田ヒカル
[レーベル] EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
[種類] CD

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本格的にプログラミング(打ち込み)をやるようになって2作目。ほとんど生楽器を使わなくなって、ますます唯一無二の音世界になってきた。正直言って、プログラミング主体の音楽は余り好きではない。ほとんどの場合、音像が際立っている割には深みが無くて、数回聞けば鮮明な印象が脳裏に刻まれてしまい、すぐに飽きてしまうからだ。そんな私にとって、打ち込みが余り気にならない数少ない例外が、Todd Rundgren宇多田ヒカルだ。

ここまで孤高な音世界を構築されてしまうと、好き嫌いの評価は下せても、良し悪しの評価は難しいところだ。重箱の隅を突くような貶し批評は、アルバム全体を貫く大きなウネリのような統一感の前では滑稽なだけだ。細部には拘らず、アルバムの持つスケール感を味わうつもりで臨むべきだろう。宇多田ヒカルの音世界に包まれて、心地好いと感じるかどうか。すなわち、感性のベクトルが合うか合わないかが評価の分かれ目だ。それ以上突っ込んだ批評は、それこそ専門家のすることだ。

アルバムを聞くまでは、すなわち、既発シングル曲を聞いた限りでは、「ぼくはくま」だけ浮いた存在に感じていた。本作に収録されると知った時は、一抹の不安が過ぎった。だが、実際にはアルバムにとって好いアクセントになっていて、ほとんど違和感はなかった。

さらに驚いたことに、シングル以外の曲の出来が結構良い。大袈裟な言い方をすれば、シングル曲は打ち込みの練習台に過ぎなかったのではないかと思ったほどだ。次作あたりでは、全部独りでプログラムしてしまうんじゃないかとさえ思える。まだ20代なのに。

アルバムを何度か聞き返しているうちに、だんだん宇多田ヒカルの向かっている先にあるのは、Kate Bushのような音世界じゃないかと思うようになった。稚拙に感じる人もいるようだが、小説の朗読のような歌詞にメロディがつくと、まるで独り芝居のミュージカルのようだ。初期のKate Bushは、それをビデオクリップで見事に映像化して見せてくれた。あの印象に近いものを、宇多田ヒカルの音楽に感じたという訳だ。

<5/8追記>
GWに近所(といっても、クルマで30分くらい掛かったが)の「道の駅」へ出掛けた際のこと。道中このCDを流していたら、母が突然「お母さんにそっくりの声ねぇ〜」と言い出した。“Flavor Of Life -Ballad Version-”で、いつになく低い声で歌っている箇所がある。ちょうど其処だった。
ヒカルの母=藤圭子が現役歌手だった頃、私は既に生まれていたのに、ほとんど記憶が無い。子供の頃の歌謡曲と言えば、由紀さおりの「夜明けのスキャット」とか、ピンキーとキラーズの「恋の季節」とか・・・・しか思い出せない(汗)。今でもそうだが、演歌系は苦手だ。だから、記憶に無いのかもしれない。とにかく、思いがけない場面で、カエルの子はカエルならぬヒカルだと分った(笑)。
ちなみに、母はアジエンスのCM曲“Stay Gold”が気に入っているようだ。アジエンスといえば、チャン・ツィイーと坂本龍一が真っ先に思い浮かぶ。どうやら昔のことにも最新のことにも反応が鈍くなってきたようだ。

★Best Track=“Celebrate”
アルバム中でもっともKate Bushを連想させた曲です。シングルになっていないのが不思議なくらい完成度が高い。そのうち何かしらタイアップが付くかもしれませんね。
posted by SunHero at 23:56| 東京 ?J| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽レビュー(日本) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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